《吟詠指針》
一、吟風~系統
教育吟詠の創建者故渡辺緑村先生並びに故和田緑龍先生の吟風を継承し
吟詠精神及び吟調を基調とする。
二、目的・態度
①吟詠にあたって明朗・清廉・簡素・正義・剛健・調和を重んじ、
これによって気力と正義感に富み、しかも詩情豊かで協調性のある人柄を養う。
②趣味・教養・健康を兼ね、吟詠を通して自ら味わい楽しみつつ自己を磨き、
これを日常生活に生かしてゆく。
③生活を楽しみつつ、清く、明るく、正しく、しかも潤いある社会の建設に
つとめる。
④吟詠のあり方を曲解してその役割を過信したり、自負過剰に陥ることのないよう
注意する。
⑤男女老若職業のいかんを問わず、みんなの吟詠とする。
⑥隆盛には必ず墜落を伴うことを承知し、あくまで基本精神、
基本態度を貫くことが肝要である。
三、吟法
詩歌の構造と意味及び語調、語気、語感、吟詠効果等を参酌し、調和を重んじる。
吟上の切り方、続け方、繰り返し等はすべてこの基調の上に、
㋐第一基本調(正調)
㋑第二基本調(破調)
㋒第三基本調(変調)
四、吟調
吟法と詩歌の内容をよく理解し、真実一路、個々の詩歌の内容に即した
唯一最良の節調と声調を追及する。優雅な気品と迫真の気迫はこの間に
そなわってくる。
五、取材
和歌、漢詩等古今のすぐれたものを対象とする。
緑村流緑龍吟詠会は、人物の育成と世俗の矯正とに目的があり、その方法は
あくまで教育的に、吟者の心魂の練磨と品性の向上を主眼として行なわれる。
随って節調の技巧化・娯楽化を戒め、吟調は、素朴・明朗・迫力・気品の四則を
厳守する。